闇短
□夢のまた夢
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「いやっ...」
深夜・・・
月の光が蒼白く光を放つ頃
宮城の一室で、一人の若き女性が裸体をさらして椅子に座り、
ねっとりとした汗で濡れる肌で、身を震わせている。
「どうじゃ・・・」
そう口にしながらその女性の、
一番敏感な所と言っても過言ではない、華芯を弄られている。
指で少し強すぎるばかりの力を込め、それを摘まみあげれば、
再び脂汗を背筋に流しながら口を半開きにし悶える。
その女性は夜がふけた頃合いから、ずっとこの者・・・否、この者達に気が向いては裸体を弄られを続けられている・・・
「邵可よ、お前もどうじゃ」
邵可はその老人こと霄の言葉に、ふんっと鼻をならし、
椅子のひじ掛けに肘を置き、手の甲で頬杖をつきながら、
椅子に裸で腰掛けている女性の下部や身体全体を視姦する。
「見るのに飽いたらまた・・・」
そう言ったきりまた女性の身体を、静かに視姦する。
夜目が利く二人には、このうす暗い部屋の中でも女性の白い裸体はよく映え、
窓からこぼれる月明かりで事足りるのだが、
わざと一本の蝋燭を卓子に置き、女性から霄や邵可の視線や動作が妖しく見えるよう、ゆらゆらと火を灯している・・・
「もぅ・・・やめ・・・」
鋭い視線でなぶられ、
気のままの手技で弄られる・・・
長い間視姦され、既に抵抗する思考を奪われた末・・・
椅子に腰掛ける女性の脚はだらりと、彼等が好む格好となって開いている・・・
ねっとりゆっくりとした長い時間・・・
二人に心も身体もなぶられ、ゆらゆらと灯る蝋燭越しに、
朧気に霞む二人を見ながら・・・
ねっとりと続く視姦の末、意識を手放した・・・
「・・・邵可、身を清め連れて帰れ・・・」
「・・・・・・」
邵可は言われなくてもとでも言いたげな顔で、その女性を抱き上げ薄暗いその部屋を去っていった。
邵可が部屋を去るのを見届けると、
フッと蝋が溶け垂れ背の短くなった蝋燭の火を吹き消し、姿を闇に眩ませた・・・
****************
翌日の昼過ぎ・・・
「っあの・・・」
「私は甘味を買って来るから・・・いい子にしているんだよ?」
そう言って邵可邸の開けはなれた窓から邵可は姿を消した・・・
あれから目を覚ました後、再び邵可によって椅子に座らされ、
その女性の身に纏う服の胸元と下腹部ははだけ・・・
胸を主張するように、柔らかな胸元は紐で縛られている・・・
そんな彼女を放って邵可は窓を開け放ったまま出掛けていったのだった・・・
邵可が邸から出掛け暫く経ち、
崩れた壁から中へ足を踏み入れ、
開け放れた窓の中を少し離れた隠れた場所から盗み見る者が一人・・・
幾ばかりか眺めた後、
「クスッ...良かった...まだ知らないようだね...」
そう猫のように目を細め、口元は弧を描きながら笑みをこぼして、
裾をひらひらと翻し、緩やかな髪を風に乗せながらその場を去っていった・・・・・・
まだ弄られる行く末の果ての喜びも知らない・・・
終わりに訪れる・・・高みへと昇りつめる快楽を・・・まだ見い出していない表情を見て安堵し・・・
凌晏樹は足早に去っていった・・・・・・
まだ一度も果てる事を知らない彼女に笑みを深くして・・・・・・