闇短

□風邪にはご用心を...
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「あっあの・・・」

揉み合う事ほんの僅か・・・


黎深に馬乗りになられた姫君・・・


胸元ははだけている・・・



終始赤い顔の姫君を見て口の端をニヤリと妖しく歪める。


ツー.....


「きゃっ」


「何だ?あの鬼畜変態最低ヤブ医者に触られて平気な癖して、この私に触れられるのは嫌か?」


何やらさっきより言葉が増えているのは気のせいだろうか。

それに嫌かと聞いている黎深の顔は酷く楽しそうにしている。



「黎深様・・・あの・・・」


「なんだ?」

そう言いながら胸に乗せていただけの手に少し力を入れやんわりと胸を揉む。


「やっ・・・」


「姫君・・・」


「はっはい・・・」


「あのヤブ医者が触れた所は全て私が消毒してやる」


カァァァ


「ククク...顔が赤いぞ?知っているか?風邪は移すと治るとよく言うだろう?どうだ?」


「きゃっ」

ふにっと掴みながら黎深は姫君の上に覆い被さる。


「姫君」


「はっはぃ...」


「好いている者はいるのか?」


「はっ...えと...」

姫君の事なら何でも知っているとたかをくくっていた黎深は、姫君の考える素振りを見て驚いた。
"恋もした事がないのか"とまだまだ子供だなと言ってからかうつもりだったのだが・・・

(っち、どこのどいつだ・・・生まれて来たことを後悔させてやる)
そんな事を毒づきながらも姫君に視線を戻すと、黎深をジッと見ている。
目が合うと姫君はカァァと更に赤くするとふぃっと目をそらす。


(・・・・・・もしかして・・・)
姫君のその行動を見て一つの可能性が頭をよぎる・・・


くぃっと顎を掴みながら黎深は問う

「私が好きか?」


カァァァ・・・

「・・・・・・はぃ」


黎深は直ぐ側にある姫君の顔をとっぷりと眺めた後、可愛らしい唇を指の腹でなぞり・・・


やがて・・・

「目を閉じろ」
とボソリと呟くと、赤くなり固まっている姫君に口づけた・・・


黎深もその甘美な柔らかな唇の感触をとっぷりと味わった後、ゆっくりと唇を放す・・・


黎深が姫君の表情を見ると、りんごのように顔中真っ赤な姫君の顔があった。


姫君は目を潤ませながら、

「れっ黎深様・・・私は黎深様のような・・・方が・・・す・・・好きと・・・言う意味で・・・そっその私と黎深様は親子だから・・・」


「知るか!お前をどこのどいつとも分からん奴にくれてやってたまるか!
ここまで私が手塩にかけて育ててやったんだぞ?」



「っでも・・・親子だから・・・」



「だからなんだ!私が良いと言ったら良いんだ。それよりもどうだった?」


「え?」


「え?じゃない!初めての接吻の感想は」


カァァァ


「そうか、まだ足りなかったか・・・」
いかにも悪かったなと言うような口ぶりだったが、そんな事はこれっぽっちも思っていなかった。


「思う存分してやる」

そう言うと黎深は、目をうるうると潤ませる可愛い娘の唇に己の唇をあてがい、たっぷりと堪能してゆく・・・


ぬるっ

「っっんっ!」

姫君は生暖かい感触に驚き身を固くするが・・・

黎深はお構い無しに舌をゆっくり差し込んでゆく・・・


ヌルックチャクチャちゅっ・・・


姫君はただでさえ熱でうかされボーっとした頭なのだが、大好きな養い親との口づけに頭の中が溶けてしまいそうだった。


クチュッ・・・

そう音を立て唇を放すと銀糸が糸をひき姫君は恥ずかしさのあまり目をきゅっと瞑った。



黎深は先程まで触っていた胸に手を置き再び触りだしながら、きゅっと目を閉じる姫君に向かって


「閉じていたければそのままでいい。全て私が済ませてやるから・・・」
と何やら危うい言葉を姫君の耳許で妖しく囁く。


姫君は恥ずかしさのあまり身を小さくし、何とか言葉を紡ごうとするが出てこない・・・


黎深にやわやわと胸を優しく揉まれる中・・・



トントン


ビクッ!


「黎深様、薬を持ってまいりました」

扉の向こうで絳攸の声がした・・・
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