優護シリーズ短編

□ありふれた幸せ。〜男二人の黒崎家
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土曜日の昼。


「だだいまー」

ガチャン…と玄関のドアを閉め、優護が部活から帰って来た。

優護が廊下を進みリビングのドアを開けると、つなぎのキッチンからは昼ご飯の匂いがした。

「ああ、お帰り優護。…ちょっと待っててくれ、すぐできる」
フライパンに向かっていたルキアは、振り返って言った。
「ああ、待ってる」
そんなルキアに、優護は微笑んでリビングのソファに座る。

ガチャ…

そこへ、一護が来た。

「ああ優護。お帰り、早かったな」
一護は、そう言うと超自然に優護の隣に座った。
「ああ…今日は副顧問がコーチだったからな」
優護は、そう言うとテレビのリモコンをとりテレビをつけた。

「…一護優護、できたぞ」
ルキアは、できた料理をダイニングの上に並べる。
「よっしゃー…」
一護と優護は、ソファから立ち上がった。

「……?どうした?ルキア」
一護は、いつもと様子が違うルキアに声をかける。
「いや…少しだるくてな……」
ルキアは、そう言って手を額に当てた。
「大丈夫だ、熱はな…」
「見してみろ」

一護は、ルキアの手をどけて自分の手を当てた。
「!!…すげぇ熱あるじゃねぇか!」
一護はルキアの額に触った瞬間にそう言う。
「いや…大丈…夫」
ルキアは、そう言うと一護の腕に収まって崩れてしまった。
「ルキア!?」
「え…(汗)ちょっ…大丈夫なのか!?…おい医者だろ親父!!」
優護もルキアに寄った。
「ばっ…(汗)馬鹿、俺は内科じゃねぇ外科だ!」
取り乱す一護は、とりあえずルキアを姫抱きにしてソファに寝かせた。
「とりあえず…こんだけ熱が高いんだったら病院だな」
一護は、ゆっくり息を吐きながら言う。
「あ…ああ…じゃあ俺も…」
「いや、お前は家でルキアが寝れるように準備して待ってろ。俺が連れてく」
一護はそう言うと、再びルキアを姫抱きにした。
「え…ああ…わかった」
「じゃあ行って来る。…多分すぐ戻るから」
一護は、そう言ってリビングのドアをバタン…と閉め、何やら準備してから家を出て行った。



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