とある学校に揃う、
不思議な奴らの物語。
「素直になればよかったかな?」
紅色は独りごちる。
「お邪魔するとー、」
藍色は間延びする。
「可愛い奴だよなあ…」
赤色は惚ける。
「五月蝿い黙れ、」
緑色は一喝する。
「勘違いしてんじゃあ」
青色は疾呼する。
「なんか…わかった気がする」
銀色は得心する。
「うえぇえっ、ンな馬鹿なぁ!」
金色は愕然とする。
「仕方ないじゃない」
飴色は苦痛を感じる。
「答えてください!」
黄色は猜疑する。
阿呆な輩共と、
振り回される莫迦共。
終わりなんか
見えそうにない噺が、
段々と進んでいく。
『傷跡』。