頂いた素敵小説
□『真実を知る日』
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グレタが数日後に帰国する・・・・
白鳩便で齎されたその知らせを受けユーリはパニックに陥った。
「この状況を一体なんて説明したらいいんだよぉ〜」
ベッドに蹲り頭を掻き毟るユーリにコンラッドは苦笑気味に助言する
「・・・・そのままでいいのではないの?」
「そのままってなんだよ?!」
その言葉にむかついたのか・・・・
ユーリはキッと上目遣いで相手を睨みつける。
「そのままってどゆことさ?
無責任なことゆ〜なっ!!
コンラッドはこんな妙なことになっちまった俺の気持ちなんかわかんねぇだろっ!!」
「ユーリはユーリのままならそれが一番です」
ユーリの苛立ちのオーラをにっこりと・・・
新緑の風でも吹いてきそうなほどの爽やかな笑顔で交わすコンラッドに・・・・
ユーリの怒りが爆発した。
「そのままってなぁ〜この姿をどうグレタに説明しろっていうんだ?!
『お父様』が『お母様』
になっちまったんだぜ!まさに青天の霹靂?!ってやつじゃん!
新宿2丁目のゲイバーのお姉さまならいざ知らず・・・
これでも健全な男を自称(?)していた渋谷有利原宿不利がだぞ?こともあろうに・・・・・・お・・・・お・・・・」
「ユーリ!!落ち着いて!!そんなに一気にしゃべったりしたら呼吸困難を起こしてしまうよ?!」
・・・・一部の性癖の方が聞いたらテロでも起こしそうなことを喚き散らし・・・・まくし立てて・・・
挙句は呼吸困難を起こし・・・・ゲホゲホと咳き込むユーリの背中をコンラッドは慌てたように叩く
「ほら・・・・ゆっくり・・・・息を・・・・・吸って・・・・・吐いて・・・・・・・」
コンラッドの言葉に合わせるようにユーリの細い身体はゆっくりと息を繰り返す・・・・・。
「まだ体調が整っているわけじゃないんだから・・・・あんまり興奮しちゃいけないよ?」
優しく囁かれるコンラッドの言葉・・・・しかし今のユーリにはその言葉すら慰めにはならない。
「だれだってこんな風にいきなりなっちゃったら・・・・落ち着けると思うか?!」
上目遣いでコンラッドを見つめている瞳が潤む
「お・・・・男だったのに・・・・・ついこの前まで男だったのに・・・・女になっちゃって・・・・
こんなの・・・・・おかしいよぉ・・・・グレタにも嫌われちゃうに決まってる!!あんただって・・・
あんただってこんな変なヤツ気持ち悪いって思うだろ?!」
『やっだぁ〜ユーリ気色悪い〜グレタの傍に寄らないでよ!ウザイッ!!』
可愛くて愛しいグレタが眉を顰め俺を斜めに睨みつけ吐き捨てるように悪態をつく姿が・・・・
ユーリの回転の悪い頭の中をグルグル渦巻く。