頂いた素敵小説

□『真実を知る日』
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ユーリがひどい怪我をした・・・・・



それこそ生死に関わるほどの重症で・・・・

神殿の泉から現われた大賢者が傷つき意識を失ったユーリを連れ再び泉から消えたのを
私はただ見送ることしか出来なかった。

その原因が私にも一端がある。

だって・・・・

ユーリを襲った人は・・・本当なら私を襲うつもりだったんだもの・・・・

私の16歳のデビュタントのパーティの席を襲った悪夢。

私の愛した・・・私を愛してくれた人を愛した女性が・・・・犯した罪。
ユーリは私を庇ってその凶刃に倒れた。

私が刺されていればこんなことにはならなかったのに・・・・

ユーリはこの世界の良心・・・・想い・・・・
取るに足らない私とは違う人・・・・


そんなべそべそ泣いていた私に業を煮やしたのだろう・・・・


しばらくしてユーリが危機を脱したという白鳩便が届き、みんなが一様にホッとした頃・・・
ベアトリスが私の背を押した。

「ユーリ陛下のお見舞いに行ってらっしゃい」と・・・・・。
陛下のお顔を見てらっしゃい





その言葉を受け、私は久しぶりに故郷の眞魔国へと旅立つことになった。
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