頂いた素敵小説

□『魂の想い<光の魂より・・・>』
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真っ白な光の中でまどろみながら・・・・

徐々に覚醒してゆく独特の感覚の中で
「あぁ・・・また新たなる生を紡がなくちゃならないのか」と漠然と考える。

ついこの前までは・・・・裸を売り物にしていた女だった・・・・
その前は冷酷なほど自分にも周りにも興味を示さない医者の男だった・・・

その前は・・・・あぁ・・・物心もつかないほど幼い頃生を奪われたのだっけ・・・
その前は・・・・
その前は・・・・・
その前は・・・・・・・・


老衰で終えたことも、病気で終えたことも、事故で終えたことも・・・
自分で命を絶ったことも



・・・・他人の手により葬り去られたことも・・・・全てこの思いの中に存在している。


もうどれほど経ってしまったのか・・・・
あの約束の時から・・・・・・


考えられないほどの時間の流れの中
世の中に惑わされながら・・・ただ流されてきた。

自分で選んだ運命とはいえ・・・・
もういい加減にして欲しい・・・と思うようになったのはいつの頃からなのか・・・


運命の瞬間を待ち続け、一人時の流れの中を旅し続けて・・・・・

苦しくて切なくて哀しくて・・・・
この思いを打ち明けようにも誰も理解してくれるはずもなく・・・・

また漠然と新しい生に身を任せるのか・・・・
誰にも理解されることもなく・・・・



と、諦めたようにまた緩やかなまどろみに身を委ねようとしたとき・・・・・・

ぼんやりと『言葉』が聴こえた。



『自分の道をまっすぐ歩けるように・・・・
何者にも負けない強い輝きを持った者・・・・
全ての者の太陽になりますように・・・・』



その言葉に応えるかのような眩しい光が真っ白な世界に広がった。



その中心に・・・・・
覚醒していない『人』の姿を感た(みた)
真っ白な光の中・・・・・・・・・まだ目覚めない魂・・・・
でも・・・・願いに応えるかのように強く弱く何度も瞬きながらも眩しく光り輝いている・・・・





『闇夜を照らす優しい光で道を示し、太陽に寄り添う者・・・・月となりますように・・・・』

また別の囁き言葉が聴こえた・・・・・

瞬間、全身に淡い光を帯び魂の覚醒を促されたのを感じ、そっと辺りを見渡す。

淡い光の向こう・・・・・自分を見つめる優しい瞳・・・・・

そしてその相向こうに・・・・・光の霞の向こうに長身の男が佇んでいるのが僅かに見えた・・・
その手の中に・・・・
真っ白な光る魂・・・・・・・

僕が寄り添うべきもの・・・・




あぁ・・・・・やっと出逢えたんだね?君に・・・・・・・・


長い運命から解き放ってくれる人・・・・・・




そう・・・・
ようやく僕が君に巡り会えた瞬間だった・・・・
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