頂いた素敵小説
□『ハロウィンに愛を込めて』
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ハロウィンはアメリカでは伝統的なイベント。
その夜はお化けも幽霊も・・・
そして人間も大はしゃぎ。
「きゃぁ〜〜♪もぉ〜〜〜すッごく似合うわぁ〜♪」
「にあうぅ〜〜〜?」
「うんうんうん♪ママが思ったとおり!やっぱりものすごく似合うわ♪
ね?さっきママが言ったの言ってみて?」
「とりっくあとりーとぉ?」
「そうそう!上手よ♪」
手を叩きはしゃぐ満足気な母親の嬉しそうな笑顔に子供は小首をかしげにこっと笑う。
母親の笑顔は子供にとって何にもまして嬉しいものなのである。
「でもさ・・・・こんな可愛い格好してたらやばいんじゃないの?ママ」
すぐその傍らで・・・・某魔法使いの少年の衣装に身を包んだその子の兄が心配そうに呟く。
その眉間にはとても年齢には似つかわしくない皺が深く刻まれている。
「最近はこの辺りも不審者が続出してるってポリスが言ってたよ?」
「だぁ〜〜から♪しょーちゃんに一緒に行ってあげてってお願いしてるんでしょ?
大丈夫よ。しょーちゃんの明晰な頭脳とゆーちゃんの愛らしさで悪い人なんか悩殺イチコロよ」
・・・・・・その愛らしさが不審者にはやばいんじゃないのか?
そんなことなどお構いなしな能天気な母親はわが子の愛らしさしか気にとまっていない
「せっかくのハロウィンなんですもの♪可愛い格好してご近所めぐりしなくちゃね♪ねぇ〜〜〜♪ゆーちゃん」
と母親が言うのにつられたように
きょとんと真っ黒な瞳を丸くしていた子どもも、ぱぁと顔を輝かせて「ねぇ♪」と同調する。
白いレースの襟元が愛らしい黒を基調としたロリゴス超のワンピースドレスの背に小さな黒い羽根をつけて、
漆黒の艶やかで滑らかな髪には何故か可愛らしい猫耳付き。手には小さなジャックオーランタンがぶら下がっている。
その姿は一人前のちっちゃな小悪魔。
「あぁ〜〜〜ん♪ゆーちゃんはやっぱり可愛いわぁ〜〜〜♪ママそっくりなお顔がキュートね♪」
母親に抱きしめられ頬ずりされキスの雨を降らされて・・・・「きゃぁ〜〜〜♪」と嬉しそうにはしゃぐその子は・・・・・
実は男の子★だったりする
・・・のだが本人がその間違い(?)に気づくのはもう少し先のこと。