『小さなお話』

□『グレタの友達』 
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      最初に知り合ったのはグレタだった。

   
  グレタと知り合った10才位の女の子、人間の子で名前はミリア。

  金髪、碧眼、白い肌、だけど、病気のせいで身体はむくんでいた。

  母親と乗り合い馬車で、王都にある病院に来ていた。

  グレタは、ヨザックとたまたまその病院へ、見学に来ていたのだ。

   母親に抱かれているミリアの瞳がとても澄んでいて美しくて、

  声をかけた。

  お忍びで来ていたので、グレタ姫だとはわからない。

  ユーリは、王様として行くと本当の姿は見せてもらえないんだ。

  本当の姿を見せてくれないと、意味が無いのに。

  と、言っていた。

だから、お忍びで見学に来ていた。

   病院は、ギーゼラと同じ癒しの魔術を持つ魔族で運営されていた。

  魔術だけでは、直せないので人間の知識も使われている。

  箱の事も落ち着居た頃、ユーリが病院も人間達にも来て貰えるように変えた。

  悪い人間も居るので、一悶着あったが、それはまた別の話。


   『わたしグレタ。あなたの名前、教えてもらっていい?』

   最初とても驚いていた。病気の女の子に声をかけて来るなんて!

   あまり無いことだから。

   『ミリアよ。』

   2人は、すぐに仲良くなって、グレタは

  ミリアの家に行ったり、通院の時は必ず会っていた。

  尽きる事の無い女の子同士の話に、幸せを感じていた。

   だけど、1年もたった頃、ミリアの容態が目に見えて悪くなってきた。

  ユーリには、ミリアの話はしていた。

   ミリアが、弱っていくのでユーリに助けを求めた。

  2人で相談して、ミリアの家に通う事にした。


   ユーリは、とても忙しいので、時間を作れた時に出かける事にした。

  ヨザックも、協力してくれることになった。

  内緒にする必要は、無いのだが、忙しい城の者達をひきこむのは、

  気がひけた。

    『あのね。グレタ姫、一番忙しいのは、陛下なんですよ。』

   『ユーリが忙しいのは、わかってる。でも、ユーリじゃないとダメなの。

   ユーリの病気を治す魔術、それをして欲しいの。』

  『お2人とも、がんこですからね。気のすむまでやらなきゃね。

   ヨザックが、全面的に協力しますよ。』

   〈ま、こっそりと知らせてしまいますがね。悪く思わないでくださいよ!〉
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