『オリジナルSS』

□「見〜つけた!」
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家は古く、築100年近くたつ。

田舎なので周辺も、そんな家ばかりだ。

生まれた時から、ここに住んでいるが、見えないのに

幽霊やら、人間以外の者やらが居そうで怖い。

何か居るに違いないと思ってる。

 だけど、自分の家なので、帰らないわけには

いかない。毎日だ。当然だ。

ある日、たくさん在りすぎる古い物を処分する事に

なった。

 壷、皿、巻物、出るわ、出るわ、うんざりする。

値打ちなんて、あるとも思えないのが、粗大ゴミに

すると、費用がかかるので、フリーマーケットを

開いて欲しい物を、持っていってもらった。



  『これさ、新しいよ。だめだよ、こんな物

までだしちゃあ。』

同級生の、スズキだ。高校生なので、何人かの友人

も来ていた。

  『君んち、本当に古い物だらけだね。

フリマなんかより、鑑定団にでも頼んだら?』

『めんどくさいよ。1つでも、なくなってくれれば

いいよ。』

『で、これいくら?』

『100円。』

古い皿木箱入り。

『で、これだけどさ。』

丸くて、平べったい、文様が施されて綺麗だ。

大きさは、携帯くらいだ。手の平に調度収まる。

『これは、売らないで君が持っとけよ。

一見古そうだけど、新しそうにも見えるぞ。』

『歴史の教科書に載ってる、古代の鏡に似てるな。

こんな物があったなんて。』

スズキから、それを受け取る。

とたんに、全身に何かが突き抜けるのを感じた。
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