連載『いつかマた!』(新)
□『願うようには動かない。』
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あれ?
時間にして1秒くらい、瞬きすらしていないのに、何かが見えた。
そんな気がした。
最初は、疲れから幻覚でも見えてるのだろうか?と思っていた。
創主を眞魔国で倒してから、異世界への扉が開かれなくなって地球には帰れない・・・と村田に言われ、その場を確認もしないで村田と勝利との3人で地球へと跳んだ。
創主が本当に消え去ったのを確認しておきたかった。
時間が無さすぎたせいで、地球に帰って来てしまっては確かめる事も出来ず悔しい思いになっていた。
地球に帰還してからも、身体は思うように動かず医師からは当分の間は安静にするようにと言われた。
勝利や村田は、元気でピンピンしててスイスを観光しては話だけしに来ていた。
両親はますます過保護になり、看護から離れようとはしなかった。
そんな激動の日々も、1週間くらいで健康を取り戻すと終わりになり、日本へ帰る事が出来た。
夏休みも終わって、学校が始まってから異変が起きた。
時々、幻が見えるのだ。
幻の意味は、わからなかった。
幻が見えても現実と混同する事はなかった。
現実のようにはっきりと見えていたが、目で見ているワケではないとわかっていた。