連載『いつかマた!』(旧)

□『そして・・・。』 7
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 地理を把握して、移動中も、周りの状況を見る。



   心の中にイメージを描いていき、魔術を広げる。



事前に俺自身で、下準備はできなかったから、今ここでする。


   地と水の魔族の施した魔術も、俺にたぐりよせる。



   まもなく、山はくずれる。



   最大限の力を使い、人の居る所は避けられるように力を放出する。





    降りしきる雨の中、不気味な音が響く。



   コンラッド・ヴォルフラム・ヨザックの3人は命令に逆らって



   ユーリの目に入らない場所に居た。



   彼のあんな表情を見るのは初めてだ。



   怖い程の威厳、常日頃のユーリにそんな表情は見られないのに。



   目の前に居るユーリが光はじめる。



   それと供に、3人の周りも暖かいものが包む。



   魔術の発動だ。



   いつも、彼の魔術は、人の命優先だ。



   今も、人は傷つけまいとした、魔術を発動している。



   
    頂上から小石がころがって来る。水の流れる音がする。



   それと、同時に不気味な音が響く。



   山がくずれはじめた。



   自然によって起こる事に人は介入出来ないが、最大の魔術の



   発動によって人々の全てが守られる。



   前兆は、じわじわと起こるが、次の瞬間。




   山がくずれた。




   俺は再び、魔術を広げる。巻き込まれている人は居ないか?



   怪我をしている者が居ないか?探る。



   村は?大丈夫だ。土砂は村を避けた。



   よかった!みんな、無事だ。




    俺の意識がうすれはじめる。もう、たっていられない。



   足がすべる。




   遠くに俺を呼ぶ声がする。



   命令、まもってくれなかったんだな。わかっていたけど。




   そして、身体が落ちていく・・・・・・。



   








   



   
   
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