連載『いつかマた!』(旧)
□『旅路』 4
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王都を出発して3日。
遠くにマカディラ山が見える。
「あんな所によく行ったなあ。」と、ユーリ。
「下手すりゃ皆共倒れ〜でしたもんね。まっ今では。良い思い出ですけどね!」
途中から合流したヨザックが、ユーリの隣に馬を並べて話かける。
「また、どうしてついて来ようなんて思ったんですか?物好きですね〜。
作業なんて地味ですよ。地専門、水専門の魔族とで魔術を施して、その後は魔術
無い俺たちで補修をするだけですからね。」
「それが見たいんだって、王さまがさ、何にも知らないのは問題だろ?」
「知りすぎるのも問題ですけどね。」
「ヨザ報告は?その方が先だろう?」
コンラッドが釘を刺す。
「はいはい、現地はなんの兆候もありません。今度は予知部も外れたんじゃないか?
と言われてますよ〜!」
『そうか、まだ。』
「陛下?」
何だこの感じは、いつもの陛下ではない。不安をかきたてられる。
誰も、コンラッドも、ヴォルフラムも気ずいていないのか?
対策部隊はユーリも含め総勢15名。現地で合流する者達も居るので、30名位には
なるハズだ。
雨が落ちてきた。いまは、小雨だ。ここの所、快晴だったのに。
用意された宿に着く頃には、大降りの雨になっていた。