頂いた素敵小説

□『愉快な渋谷兄弟』
2ページ/3ページ



回転イスを回して向き合うと、勝利は勢いよく
持っていた雑誌を目の前に押しつけてきた。

待って、読めない。
近すぎて読めないから!

改めて見てみると、
何の変哲もない通販の
カタログだ。

「…これが何?」

「ここを見てみろ」

骨張った指が、トントンと軽い音を鳴らしながら示した商品。



『サンタワンピース』。



細身の女性が冬限定の
サンタコスチュームを
身に纏い、こちらにポーズを決めている。
短いスカートから伸びる細い足と、腰がセクシー。

「ゆーちゃん着てくれ。
お兄ちゃんの一生じゃないお願いv」

「着ねーよっ」

しかも『一生じゃない』のか!?
これ以上、どんな無謀な願いをする気なのか恐ろしい。

しかし、それに勝る問題点発覚。
サイズが明記されていてないのだ。嬉しいフリーサイズだろうか?



バカ兄貴を部屋から追い出したのも束の間、
今度は母親が同じカタログを片手に部屋へと
やって来るのだった。







Merry Christmas! 2007
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ