幼稚園
□ハロー、相棒
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晴れた日は、彼に会える。
彼は今日みたいに肌が焼けてるのがわかるくらい、熱い日差しが好きみたい。
彼と話した事はない。
こちらから話し掛けることもなければ、向こうから話し掛けてくることもない。
でも彼は、何も言わなくても一緒に居てくれる。
手を振れば、彼も同じに手を振る。
歩けばついてくる。
走れば彼も走って、止まれば彼も止まる。
跳ねれば真似して彼も跳ねる。
彼とはそうやって遊んだ。
だって彼とはかくれんぼができないし、鬼ごっこもできない。
「こたろー、ぼうけんごっこやるんだけどいっしょにやらなーい?」
さすけが走って来た。
広告を丸めて作った剣を持っている。
さすけはどんどん近づいて来て、彼を踏んだ。
「………」
「どしたの?固まっちゃって」
「…………」
「おーい、こたろー?」
さすけが目の前で手をひらひらと振った。
そうです彼は、
黒い影
(さすけに踏まれて痛くなかったかな)
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影と遊ぶのが好きな小太郎くん。笑
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