学園

□気づけば手遅れ
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青い空。


白い海。


輝く日輪。



海が大好きな元親はかき氷屋でバイトをしていた。

人当たりがいいことも幸いし、売り上げはまぁ上々と言ったところだ。

そんな時だった…
元就がやって来たのは。

元就は日輪浴のためにこの海に来ていたのだ。


「………」

「………」


二人は顔を見るなり無言になった。
元就の方は眉間にしわが寄っている。

先に口を開いたのは元親の方だ。


「ぁー、こんなところで何してんだぁ?」

「我がどこにいようと貴様には関係ないわ。時に、貴様はバイトか?」

「まぁな」


元親は苦笑しながら答えた。


「ならちょうどいい。我に奢れ」


元就はさも当たり前のような顔をして言った。


「はぁ!?なんで俺が…」

「ほぅ、我に口答えする気か?」

「……わかったよ」


元親はかき氷を作るため、仕方なくかき氷機に手をかけた。

せっかく雇ってもらったバイトを台無しにされてはたまらない。
これを奢ったら帰ってもらおうと。


−ゴリゴリゴリ


「何味だ?」

「メロン」

「ん、出来たぜ!!」


元親は元就にかき氷を手渡した。

元から機械が好きで器用な元親の作るかき氷はとても上手に盛られている。


「うむ」


元就は近くにあった椅子に腰掛けた。


「なんで座ってんだよ!?」

「ここは涼しい」


そう言うと、元就は黙々と食べ始めた。

元親はまぁ、俺の邪魔しないならいいかとかき氷の販売を再開した。






数分経った頃、元就が空になったカップをずいっと元親に突きつけた。

元親は分けがわからず、なんだこれはという意味合いを込めて元就に視線を送った。


「何を呆けておる。おかわりぞ」

「駄目だっ!!」

「…ならいい。我がやる。どけ!!」


元就は元親をどかすと、勝手に氷をセットし始めた。

すでにやる気満々だ。


「元就!?おまっ、勝手にやるな!!」


元親は元就を止めるべく、すぐさま後ろから押さえこんだ。


「離せ…!!我は食べたい時に食べるまで!!」

「まてまて!!俺が怒られるんだぞ!?」

「構わん」

「酷っ!?」

「我の邪魔をすれば当然の報いよ!!」

「邪魔されてるのは俺の方だ!!」

「そこまで言うのなら仕方あるまい…良い機会だ。我に刃向かった者がどうなるか、身を持って知るがいい!!」


そんなくだらない言い争いをしているが故にお客はどんどん遠のいて行った。

勿論、元就が来てからの売り上げはがた落ち。
どころか無しに近い。

そして、二人の喧嘩?のせいで店はほぼ壊滅状態。
弁償代は元親のバイト代から引かれること必須だろう。




元親が自分はバイトの最中だと気づいたのは既に日が暮れる頃だったとか…










(俺のバイト代が…)

(ふん…自業自得よ)

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