リボーン2
□甘え上手
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―――最近、オレはワガママになった。
どこがどうワガママなのかと聞かれたら、答えられないんだけれど。
オレがワガママを言う相手は一人だけ。
他の人が相手だったら、きっと『いい加減にしろよ』と言われるかも知れない。
でも。
オレのワガママを聞いてくれる人は、いつもニコニコと優しく笑ってオレを受け止めてくれるんだ。
[甘え上手]
オレの部屋で誰かと二人っきりになろうと思うと。
それはそれは、骨の折れる仕事だ。
まず、友人を部活へと急かして、何故かいつも高い確率で会う知り合い達に会わないようにしながら、家へと急ぐ。
家に着いたら着いたで駆け寄ってくる子供達に、おやつ、もしくはお小遣いをあげてスキを突き、部屋へと駆け込むのだ。
これだけ苦労をしても、部屋に最強の赤ん坊がいたら二人きりにはなれないんだけど、今日は出かけているのか部屋には居なかった。
「……ふぅ」
部屋の鍵を閉めて、やっと一息。
帰るまでに神経を使い過ぎて疲れる。
「お疲れ様です10代目」
同じようにして帰って来たはずなのに、目の前の獄寺君は平然と涼しい顔をしている。
この差はなんだろう?
器のデカさの違い?
いや、ただオレがダメ過ぎるのかも……。