リボーン2
□もう、死んで下さい
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彼と仲良く並んで学校に向かう。
「10代目!お荷物お持ち致しますっ」
「いらない」
「あ、おんぶします!」
「もっといらないよっ」
歩きながらも獄寺君は必死だ。
その訳の分からない必死さが彼が変態@たる所以なんだけどな……。
「あれ?獄寺君って今日日直じゃなかった?」
思い出して聞くと、10代目よりも大切なことなどないですから!と笑顔で返された。
「な、何言ってるんだよっ!当番はきっちりしないとだめでしょ!?」
こうやってサボる人がいるから、今までのオレのように押し付けられる人が出てくるのだ。
「ほら、今からでも早く行っておいでよ」
「で、ですが10代目…」
「……獄寺君」
まだ渋っている獄寺君を睨みつける。
その視線に、彼はビクッと身体を震わせた。
わざと冷たい目で彼を見据えると、今にも泣きそうな表情を浮かべた。
「オレ……自分の役目を責任持って果たせない人ってキラ―――」
「じゅ、じゅうだいめええええぇっ、オレ今すぐ行ってきます!!!!」
聞きたくないとばかりに、言い終わる前に駆け出していく獄寺君。
「頑張ってねぇ〜」
見えなくなった彼の背中に手を振った。
ダメツナの呼び名高いオレだが、彼に言うことを聞かせることくらい今では朝メシ前だ。
一緒にいて疲れる友人がいなくなり、足取りが幾分軽くなる。
「あーあ、いつもこんなに静かな朝だったら、オレの学生生活も過ごしやすいの―――」
「綱〜吉〜君っ」
「……そうでした忘れていたオレがバカでした一人減ったくらいで過ごしやすい学生生活が送れるほど神様はオレに優しくないんですよね」
「クフ?息継ぎもしないで、何ブツブツ言ってるんですか?」
ことんと可愛らしく首を傾げながら現れたのは、自覚のある変態(略して【変態A】)骸だった。
「小首を傾げても可愛く見えないし、むしろ不気味なんですけど」
思いっきり嫌そうに顔を顰めると、骸は逆に嬉しそうに笑った。
「クハッ、綱吉君のその嫌そうな顔、そそりますね」
―――ダメだ。さすがは変態A。自覚がある分開き直ってるから、オレの攻撃すら喜んでしまう。
変態Aの恐ろしさを改めて実感した。