リボーン2

□言葉の楔 後編
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一方。


「………」


山本の家に泊まった綱吉は朝早くに目が醒めて、自分の家とは違う天井をボーっと眺めていた。

隣にはまだ眠っている山本がいて。
その寝顔を見て、意外と寝顔はあどけないなと小さく笑った。


(……山本が、オレの恋人になったんだ……)


昨日まで親友だった人が、今は自分の恋人だということに恥ずかしさが沸いてくる。

でも、心は温かい。


「ん……ツ、ナ?」

「山本、まだ起きるには早いよ?」


欠伸をしながら名を呼んだ山本にそう話しかける。


「ツナ……」

「わっ」


自分よりも大きな腕で抱き締められて、綱吉は山本の胸に顔を埋める体勢になった。


「山本?」

「……へへ、なんか嬉しいのな」

「え?」

「ツナが…この腕の中にいてくれるなんて、まだ夢みてぇ」


オレ寝ぼけてない?とギュッと抱き締めながら照れたようにそう告げた山本に。
綱吉は笑った。

そっと背中に手を回す。


「夢……なんかじゃないよ?」

「……うん」


優しい腕に包まれて。
綱吉は泣きそうなほどの安心感を抱いていた。


「ねぇ、山本?」

「ん?」

「学校……サボろっか」


綱吉の言葉に、山本は頷いた。


「賛成。今日は一日中こうしていたいなぁ」

「……オレも」


恥ずかしそうに頷いた綱吉に山本はあーもう、と唸った。


(ツナってば、マジで可愛すぎるって!!)


自分の心を掴んで放さない綱吉に、山本はそっと口づけをした。


嫌がる素振りなど微塵も見せず、目を閉じて受け入れる綱吉にホッとする。

諦めていたモノがこの手に入り。

山本は自分の幸せが少しだけ怖くなった。




   
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