リボーン2
□甘く薫はキミの声
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ディーノにとってツナの存在は、心の拠り所でもあり自分の全てだ。
どんなに辛いことがあっても、ツナの存在は自分を救ってくれる。
ずっと側に居たいし、誰にも渡したくなんかない。閉じ込めて自分以外のものを見せたくないとさえ思う。
でも。
気付いたのだ。
今はよくても、この先ツナがボンゴレのボスの座に付いたら。
自分ひとりだけのモノになど出来ないと。
行く行くは数万人のファミリーを束ねるのに、何の利益も生まない男の自分が、ずっと恋人でいられるわけもないと。
そうなると、周囲からの制圧にツナが耐えられなくなることは目に見えている。
感情が先走り、自分もツナを傷つけることになり得ない。
そうならない為にはどうすればいいのか、ずっと考えていた。
考えて考えて……そして考えついた結論は『ずっと側にいれる関係になる』こと。
例え二度とその華奢で愛しい身体をこの手で触れられなくても、永遠に側にいれるであろう『兄』になる。
そうすることで、ツナを見守りながら側に居続けることが出来る。
―――そう思った。
だから、守る存在で居る為に利用出来るものは利用しようと考え、前から持ち掛けられていた大きな力を持つ一族の娘との縁談を受け入れた。
もちろん、そこに愛などないのだが。