リボーン2
□オレンジと絆創膏
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ポケットに入っていたアメを口に頬張りながら、山本は繰り返し同じ歌を口ずさむ。
途中、山本の家に立ち寄って取りに戻った自転車で、二人乗りをしながら川へと向かいながら。
オレは山本に聞いた。
「さっきからその曲をずっと歌ってるね。なんの曲だったっけ?」
「これか?これは映画の曲だぜ」
教えてもらい、あぁと思い出した。
「思い出した。魔女のお話の主題歌かぁ」
随分、選曲が偏ってるなと笑う。
そんなオレの笑いに気付いたのか、山本はわざとハンドルをフラフラにきった。
「わわっ」
自転車の後ろに立っていたオレは、急にふらつかれてギュッとしがみついた。
「ちょっ、山本っ」
「ははっ」
「ひゃあっ」
スピードを上げられて首に抱き付く。
「山本、飛ばし過ぎ!怖いよっ」
「そうか?楽しくね?」
グングンとスピードを上げていくせいで、怖いけど頬に当たる風が気持ち良い。
すれ違う人達は、何事だろうかと驚いた顔でこっちを見ている。
自分よりも大きな背にピッタリしがみついているためか、恐怖は次第に薄れて来た。
「このスピードなら、飛べそうだよね」
山本が口ずさんでいた歌を思い出し、何となくそう言うと。
「おっ、それいいな〜」
山本は賛同してくれた。