リボーン2

□依存
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「ん……」


綱吉がちゃんと目を覚ましたのは、夜になってからで。

それまでずっと付き添っていた獄寺は、目を覚ました綱吉に小さく笑ってみせた。


「目が醒めましたか?」


起きると獄寺がいて、綱吉は驚いて慌てて起き上がる。


「隼人……どうして?」

「仕事終えて帰ってきました」

「……お疲れ様」


久し振りに会う獄寺に。
綱吉は優しく微笑む。


「あれ、オレいつの間に寝たんだろ?」


寝た記憶ないのにおかしいな、と首を傾げる。

正気を失ってる間は、何も覚えてないのも常で。
さり気なくフォローするのも、周囲の役目だ。


「気持ち良さそうに机で寝られていましたので、ベッドに運ばせてもらいました」

「そうなんだ?仕事帰りで疲れてるのに、ゴメンね……」


申し訳なさそうに謝る綱吉を、獄寺はそっと抱き締めた。


「はや、と?」

「―――貴方と一週間も離れてたのは久し振りでしたので……充電させて下さい」


そう言うと、綱吉の身体が僅かに震える。


「隼人……オレ……」

「ねぇ10代目。貴方はオレに結婚しろと言いますよね」


何かを紡ごうとした綱吉の言葉を遮るように、獄寺が言うと。
綱吉は硬直させた。


「………うん」


小さく頷く綱吉の身体を抱き締めたまま、獄寺は訊く。


「オレのこと、もう嫌いになりましたか?」

「……ちが、う」


その言葉にホッとしつつも、質問を続けた。


「じゃあ、他に好きな人が出来ましたか?」

「違う。そんな人なんかいないよっ」

「だったら……」



―――何故オレを捨てようとするんですか?



その言葉には綱吉の即答は得られなかった。



 
 
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