リボーン2

□依存
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合わない焦点のまま、そっと上半身を起こし。
自分の髪を撫でている人物を確認するかのようにゆっくりと顔を上げた。


「じゅ―――」

「ご、めんなさい……」


ポツリと呟かれた謝罪。
獄寺は謝罪の意味が掴めなくて、小さく首を傾げた。


「……何を謝ってるんですか?」


鎮静剤で朦朧としている今の状況で、会話など成り立たないと分かっていても。
獄寺は話し掛けずにはいられない。


そして、さらに呟かれた言葉に。


獄寺は目を見開いて綱吉を凝視した。



「好きに、なって、ごめんなさい」

「っ!?」



言われた言葉に。
身体が強張る。


心臓がズキリと音を立てて軋んだ気がした。



だが。



「オレは、汚いから」



続けられた言葉に、獄寺はまじまじと綱吉の顔を見た。



「……なにを、言って」

「汚いオレといても…幸せには、なれないから」



だからごめんなさい、と消え入りそうな声で告げて。
また目を閉じて寝息を立て出す。


残された獄寺は、たった今告げられた言葉が頭をグルグルと駆け回っていた。




―――汚い?


―――幸せになれない?




無意識に呟いた言葉だからこそ、そこに彼の真意が窺えた気がした。



「貴方は一体……、何を一人で背負ってるんですか?」



眠る綱吉から。

訊ねた言葉への返事はなかった。




  
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