リボーン2
□依存
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目の前の人物が誰だか分からなくなる。
何かを戒めるかのように自分の身体を傷つける。
一度錯乱状態になると、例え守護者でも手が付けられない。
なのに。
どうしてか獄寺が抱き締めるとすぐに落ち着くのだ。
『隼人……』
小さく名を呼び。
嬉しそうに笑ってから気を失う。
そんな時は、自分は彼にとって特別なのだと認識出来て嬉しくもある。
でも、正気に戻るとその態度は一変し、また結婚しろと言うのだ。
そんな綱吉の心が分からなくて。
獄寺はここ最近、頭を悩ませていた。
だからわざわざ他国への仕事を部下にも任せずに、自ら買って出たのだ。
「……リボーンさん、オレは一体どうすればいいんでしょうか?」
一人で考えても答えなど出ない。
そんな獄寺に。
リボーンはこれみよがしに溜め息を吐いた。
「何でコイツが正気を失い、誰の呼び掛けにも反応しないのに、お前のことだけは分かるのか……考えたらすぐに答えは出るはずだろ」
「………」
「それも分からねぇヤツに、コイツは任せられねぇな」
そう言って笑うリボーンを見て。
(あぁ、そういえばこの人も、10代目を狙う一人だったか……)
今更ながら思い出す。
獄寺はベットに腰を掛け、そっと髪を撫でた。
ふわふわな髪の感触を手に感じながら、この先の事を案じていると、手に反応するかのように綱吉が身じろいだ。
「10代目?」
名を呼ぶが、覚醒しきれていないのか目の焦点が合わない。