リボーン2
□依存
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そっと近付き、片膝をついて顔を覗き込む。
穏やかな表情。
規則正しい寝息。
それらにホッと身を撫で下ろして、入り口に凭れて立っているリボーンに見遣った。
・・
「―――また、ですか」
尋ねる声は堅い。
そんな獄寺の問い掛けに、リボーンは大袈裟に肩を竦めてみせた。
「……まぁな。お前が仕事でこの国を離れている間、大変だったんだぞ」
今は鎮静剤で眠ってる、と言ったリボーンに。
獄寺は何ともいえない複雑そうな顔を浮かべた。
『ボンゴレ10代目の様子がおかしい』
この事実は、彼を取り巻く守護者と極々親しい数人しか知らない。
『おかしい』と一概に言っても、普段は非の打ち所のない程、采配に恵まれている。
数万とも言われているボンゴレの構成員を纏め上げる姿は、まさしく巨大ファミリーのボスそのもので。
今ではその座は彼以外あり得ない、とまで言われている。
だが。
常に一緒にいる獄寺やリボーンといったボンゴレ10代目守護者達は。
表からは見えない綱吉の心の闇を確かに感じていた。
優しく。
他の誰よりも暖かかった少年が。
独りでいる時に、膝を抱えて震えるようになったのはいつからだっただろうか?
皆で集まって談笑している時に。
ふと笑顔が強張り、泣き出しそうになったのは?
そんな彼の変化に、一番戸惑ったのは他でもない……獄寺だった。