リボーン2
□HERO
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可愛い可愛い可愛い。
こんなに人を好きになるのは初めてだ。
側にいると、今までの自分の過ごして来た人生が、どんなに味気無いものだったかが良く分かる。
「オレがヒーロー?」
分かってないよなぁ。
オレなんかただのカッコつけだぜ?
「オレから言わせてもらえば……」
―――ツナの方がヒーローなんだけど。
「ほぇ?」
分からないといった顔をするツナの頭を撫でる。
フワフワした感触が気持ちイイ。
「忘れた?オレを救ってくれたのはツナだぜ?」
ずっとツナの存在を気にはしていたが、あの件が決定打になった。
―――オレなんかのためにここまでしてくれるんだ?
そう思って。
自分が悩んでたのも吹っ飛ぶくらい、身体に衝撃が走って。
側にいて思い余って気持ちを告げ、受け入れてくれた時は本当に嬉しかったんだぜ?
「ハハハ、やだなぁ山本。オレはヒーローなんかじゃないよ」
楽しそうに笑った。
「ダメダメだし、取り柄もないしさ」
そう言って肩を竦める。
―――本人は気が付かないものなのかな?
自分がどんなに周囲を救って来たのか、なんて。
「ヒーローってのは、カッコよくて頼りになる……山本みたいな人のことを言うんだよ」
ニッコリ微笑むツナの笑顔に見惚れ。
引き寄せられるかのようにチュッとキスをした。