リボーン2

□ポン、ポン
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歳を取った分だけ知識が増えた。


歳を取った分だけ狡猾になった。


歳を取った分だけ仲間が増えて。


歳を取った分だけ仲間が死んだ。




そして、何より。




歳を取った分だけ。




―――アイツに『笑顔』が増えた。








【ポン、ポン】









轟々と吹雪いている昼下がり。
外出をしていたリボーンは、ボンゴレ総本部に入った途端寒さで強張っていた身体が解れるのを感じた。


「ったく……なんでこんなにも外は寒いんだ」


誰に言うでもなく愚痴が口を吐いた。
屋敷内全館もれなく暖房が効いていて暖かく、肩にたんまり積もっている雪を手で払いのけながら、このコート値が張ったのにとぼやいた。

意地になったようにバンバン雪を叩き落としていると。


「あっ!リボーン!!」


突然背後から掛けられた大きな声が耳を劈く。


「……おまっ、おい!ダメツナ!!オレの鼓膜を突破る気か!!」


キーンと耳鳴りがする耳を押さえて声の主を睨むと。


「あ、ゴメン」


声の主は小首を傾げてへラッと笑った。
そのあどけない笑顔に、リボーンの眉間に更なる皺が寄る。


「ゴメンじゃねぇっ!ったく」


彼こそはこのボンゴレ総本部の主、ボンゴレボス10代目にして、リボーンの元教え子である沢田綱吉だ。

綱吉は怒られたことに肩を竦めながら、リボーンに近寄った。


「怒るなって〜。リボーンを探してた所だったから、ちょっと大きな声を出しちゃっただけじゃんか」

「ちょっとで鼓膜を破る気か」

「も〜、謝っただろ?」


頬を膨らませながらリボーンのコートを受け取ると、綱吉は「おかえり」と笑う。

その笑顔をチラリと見たリボーンは、感情の読めない顔で頷いてみせた。




  
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