リボーン2

□シュガー
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お菓子を作ろうと思い立ったのは、ほんの気紛れだった。

応接室で僕が出すお菓子を、あの子はいつも美味しそうに頬張ってるから。


僕がお菓子を作ってあげたら、きっとあの子はすごく喜んで貰えると思ったんだ。


自分では全く自覚はないけど、どうやら僕はよくあの子を泣かせることをしてしまうらしい。

いつも目に涙をためてキュッと手を握り締めて耐える姿を見るのは、あんまり気分のいいものではない。

いつもニコニコ笑ってる姿が、あの子には似合うと思うから。



だから、お菓子をあげて笑って貰おう。





【シュガー】





参考書は図書室で見つけたお菓子作りの本。

色々見てみたけど、僕は初心者だし、簡単かつ美味しそうなものを作りたい。


うん、やっぱり作るのはコレかな。


甘いのが大好きなあの子にはピッタリな。



チョコケーキ。



なんだ、これって炊飯器で作れるんだ?

楽勝じゃない。



昼休み、家庭科室を貸し切りにしていざ開始。


小麦粉、卵、バター、砂糖にココア?

バターを湯煎で溶かしておく。
ボウルに小麦粉とココアと砂糖を入れて混ぜて、溶いた卵を入れる…と。
混ぜたらバターを入れて混ぜて。


……なにコレ。混ざりにくいんだけど。


あ、混ざりにくい時は牛乳をおお匙一杯ね。
そういうのは初めに書いてて欲しいんだけど。


混ざったらオレンジピールを入れ……オレンジピール?


何それ?
オレンジのこと?


……分かんないから抜きでいいよね。


あ、これで炊飯器に移してスイッチを入れたら完成なんだ?


随分と簡単だね。


スイッチを入れて、出来上がるのを待った。





 
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