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□名探偵シャナン
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(う…ここは…?)
薄暗い空き地でシャナンは目を覚ました。
自分がなぜこんな所で倒れていたのか…?
まだぼんやりとしたままの頭を振って必死に考える。
(…そうだ!思い出した!!)
意識がだんだんはっきりしてくる。
突然現れた、あの…忌まわしい「黒づくめの男たち」
(あいつらの中の一人…たしか、マンフロイとか呼ばれてたな……あの男に、妙な魔法をかけられて……)
だがシャナンが思い出すことが出来たのはここまでだった。
(ダメだ…!この先が思い出せないっ…多分そのまま気を失ったんだろう…)
怪しげな男たちの罠に嵌って気を失ったことは不覚だが命が助かったのは幸いだった。
(後は…持ち物か)
シャナンはすぐに自分の所持品を調べたが、特になにかを盗まれたような形跡はなかった。愛用の鋼の大剣も無事だ。
ただ、奇妙な違和感があった…
(なんだ…?なにか、変だ…)
彼は立ち上がろうと試みたが服の裾に足をとられて転倒してしまった。
「いててっ…なんだよコレは!」
彼は自分の着ている服のサイズが変化していることに気がついた。
「あの黒づくめの男の仕業か?でもなんだって服なんかを…?」
いくら疑問に思ったところで答えなど出るはずもない。
仕方なく彼は歩き出した。
が、空き地から大通りに出てすぐに彼は立ち止まった。
「…なんだよコレ」
通りに面したショーウィンドウのガラスに映し出された自分の姿を見て、彼は頭の中が真っ白になった。
そこには
幼い頃の自分と同じ姿の…
一人の少年が映っていた―