【Extra## Collection】

□【Confidence】
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その男は硝子張りの渡り廊下で独り、中庭の池に悠々と泳ぐ錦鯉達を眺めていた。

この屋敷内で、これほどまで場の雰囲気に似つかわしくない男は初めて見たように思う。
それは外見ではなく、内面の気配といったようなものだが。


「私に何かご用ですか?東谷さん」

「余り屋敷内をうろつかれては困ると、再度の忠告に」

「二度ある事は三度……さて、次はどうなるのでしょうね?」

「……次は恐らく、『警告』ですよ―――客人」


そう返答すると男は軽い笑いを漏らし、その場を静かに立ち去った。


今は客人として。

しかし明日からは………




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Extra##【Confidence】

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――――黒龍会総本部



「牙琉霧人は、幹部構成員として総代の盃を受ける形となります。予定通り、儀の一席を明日午後一番と相成りました……」

「クッ!遂に極道も天下りの真似事までし始めたと……奴からしてみりゃ、随分と滑稽な三文芝居にでも見えるんだろうぜ?」


それは昨年の師走の事。
年に数回行われる黒龍会主催の巨大な宴の際、巌徒海慈との一席が事の始まり。
あのエンパイア野郎との 実に七年越し二度目の賭けは……やはり成歩堂を前にしたもの。

巌徒海慈の不気味な勝負強さを再び見せ付けられ結果……敗北を期したのだった。


「先代が預かった『虎』の一派が、霧人を囲う事となっていますが……」

「あァ……糞にはクソが群がるモンだ。何れ纏めて廃棄処分するには何かと都合がいいんだが……何か気になるのか、東谷?」

「はい……」


己が手にした巨大な組織を用い、三界の『癌』として現在のシステムを根底から崩す……言わば形を変えた【国家との抗争】。

それが徐々に巧を相し、バランスが崩れ始めた頃合いになって、こんな毒を埋め込まれる形となってしまったのだ。


「あの男……巌徒海慈の代理人を務めていただけに、我等にとって少々厄介な存在になるのでは、と―――」


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