12/10の日記

01:36
滴り
---------------
鉄の味、紅い味、薄い味、さらさら、トロトロ。
まっかなまっかな色。
匂い立つ色。
生命の色。
生け贄の材料。
綺麗な、そして意思を持つ強い色。
紅、あか、アカ、アカアカあか。
赤。
私の気持ちを落ち着かせる。
恐怖を、悲哀を、激怒を、死への切望を、消してくれる。
不思議な気持ちにさせてくれる、まるで夢の中に居るようで。
夢の中は素晴らしい。ビックリするほど欲にまみれている、無意識の欲に。
だからこそ、目覚めたとき、虚しくなる。
目を瞑り、夢の記憶を手繰り寄せる、必死で。
私の恋人がそこにいる。
たまに現れる恋人が。
私を妙に意思のある眼で見ていた。
夢は幻。
それ故に恋しい。
夢は私の創作の源泉。
次はどんな夢を見るだろう?
どんな会話をしているだろう?
現実と夢の世界、二重の人生を歩んでいるようで、ふふ、不思議だ。

自分自身をブッ殺したい。
そう思うだけで楽になれる。
この頃、一層自分の精神が不安定でね。
辛くなったら、感情を自分の中に抑え込んでいるからその反動で、最近無感情または、自分自身が幼くなっているのに気づく。
酷いと喋ることすらできなくて、身体が固まったみたいに動かなくなる。
返答もうまくできなくて、頭にロックが掛かったみたいに思考が定まらない。

こうやって文章を書いていると楽になれる、本当に。

暗闇は落ち着く。
故意に傷ができた時、何故か嬉しくなる。
赤黒いカサブタが綺麗だと思う。
ゾンビに抱き締められたいと思う。
触手持ちの怪物も良い。
そんなのが夢に出てきたら最高だ。
喰われても良い。
どうしちゃったんだろう?
非現実的なことに惹かれる。
昔からだ。
血塗れの自分。自分自身の血で血塗れなになってしまった自分。
腕を掻いたらカサブタが取れてしまって、血がポツリと浮き出た。
指でちょんと取って、嘗めた。
鉄の味が口に拡がる。貴重な味だった。

故意に切ればダラダラ出るけれど、今はひたすらに我慢している。
せめて、創作で。

手首に頬を擦り付けて、温もりを、血液の流れを感じる。
刃物を強く押し当ててゆっくりと引く。
ピリピリと感じる痛み。
その痛みで生を実感する。
深く、深く、長く切る。
皮膚の組織、紫の色、そして赤が出る。
そこに口付ける。
それでも零れ、床を汚すは真っ赤な血。
痛みと、味と、香り。
既に私は私じゃない。
意識は朦朧として、苦しみを感じることすらない。ただ、快楽を求めて、ひたすらに嘗めていた。
血が大好きな自分が現れていた。

楽になろう。
愛を感じるよ。
大丈夫。
壊れそうで、壊れない。
滴り落ちる、君の血で。

前へ|次へ

日記を書き直す
この日記を削除

[戻る]



©フォレストページ