おはなし

□襲う、襲われ。
1ページ/3ページ

今日はカレー。
明日もカレーの予定。私は大のカレー好き、どうしてこんなに美味しいの?
でも作ってる時が一番好きで、この香りが堪らないのよね。

日本、某都内某村の森の中のログハウス。
今年の1月19になったばかりの女性は今晩もカレー作りに勤しんでいた。
一応自給自足の生活をしている訳だが流石に貯蓄していた食料が底をついてしまった。
「困ったわね、明日もカレーにするつもりだったのに材料が無いわ」
カレーの材料どころじゃないだろう!などのツッコミはともかく置いとく。しかし彼女はとても面倒くさがりなため「明日から始めよう」の一言で眠ってしまった。
とても疲れていたのか深い眠りにつき目覚めた時には夢の内容すら覚えていなかった。
早朝五時、彼女は早速食料求めて出掛けた。

彼女は帰ってきた。
両かご一杯に様々な食料が入っていた。おいおい省略し過ぎなんじゃないかという言葉が聞こえてくるが置いといて(なんて適当な話なんだ)
時は9時を指していた。
かごには様々な木の実、死んだウサギや狐等と小動物、魚類、果物などが入っていた。
たったの4時間で…。
「ふう、これくらいあれば1週間は持ちそうね」
とある程度の食料を玄関辺りに置いて彼女は有ることに気が付いた。そう、カレーに必須なある野菜
「人参、玉ねぎ、じゃがいもが無いじゃなあーい!」
その時、背後でドサッと言う音が聞こえた。実は彼女、今まで何度か同じ経験をしていた。
そこには段ボール箱が2、3個その中にカレーに必要な食材がぎっしりざっと1ヶ月分くらいは有った。
カレー粉まである。
またなのね、まさかまた来るとは思わなかった。これで何度目かしら?

それはまるで空から降ってくるようだった。実は彼女が毎日カレーを作れる理由はここに有った。
それまでの彼女の食料はさっきので解る通りだが…いや。

「私、このログハウスに住んでからずっとこんな感じなのよね。来たときには既に材料がテーブルにどどんと置かれていて。尽きる度に家の扉の前に置かれてる。決まってもう来ないわよねと思い始めた直後に来るのよね」
と、誰にともなく彼女は話す。
この森は全て彼女の土地になっている。鬱蒼と繁っていて昼間でもこの場所は暗い。
それにしては空には依然星が瞬いていた。それに気付いているのか気付いていないのか彼女は一言。
「お昼の準備をしましょ」
と言ったのだった。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ