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□笑顔
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二人っきりの帰り道。
いつも通り、お互いの話や、先輩方の話をする。
テニスの話になり、先輩が思い出したように口を開いた。
「そういえばよー、お前、最近動きいいよな。」
「マジっすか!?」
うわ、純粋に嬉しい。だって、褒められたんだし。しかも、丸井先輩に。
「えっ…あーおう…。」
赤也は目をキラキラと輝かせ、俺の方を見てくる。
「やっりィーー!!」
両手でガッツポーズをし、喜ぶそいつの顔は満面の笑顔。
――…
俺は顔を反らし、片手で髪を掻く。
(あーくそっ。)
「丸井先輩?」
俺の顔を覗き込んでくる。
「…顔、赤いっスよ?」
「!!」
目を真ん丸くして俺を見てくる。あーもうやめろって。
「、っバーカ。」
「はっ?何で急にっ!」
照れ隠しに。一言発つと、さっきまで、満面の笑顔だった顔は、グラっと沈む。
全く、コロコロ変わる表情に俺は、
振り回されっぱなしだ。
好きだぜ、赤也。
〜end〜
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