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□そんなあなたですから。
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たった一瞬でもいい。

あなたの側に俺がいたと言う事実をあなたが永遠に覚えていれば。


「丸井先輩ってさー、きれいですよね。」

ボカッ

単純に放ったその一言。
瞬間、頬に鈍い痛みが走る。

「いってー!何するんスか!?」

「何をするもねぇ!お前急に何なんだよっ!」


「俺はただ思った事を言ったまでです!」

「アホ!」

丸井先輩は顔を真っ赤に染めて怒鳴る。


そんな姿、当たり前の日々。


こんな日々が、普通の事が、

幸せなんだ。


「先輩は可愛い!」

「黙れっ!」


―ほら、また。


言い争いの始まりだ。


それがたまらなく楽しい。





これでいいんだ。

いい思い出を。

あなたに刻みつけたい。


大好きなあなたに。

大大だーい好きなあなたに。



「先輩。」

「あ?」


「好きっすよ。」


「―…あっそ。」


「先輩は俺の事どう思ってる?」


「…嫌いではない。」



俺はくすっ。と笑った。


「そうですか。」



それだけで嬉しい。










たった一瞬でもいい。


あなたにとって、思い出す度に笑顔になってしまうような思い出になるように。


俺はあなたの傍で笑ってます。










              〜end〜
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