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□届け!
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−届け!−
あ、赤也発見−。
向かい側校舎の廊下に友達と仲良さそうに歩いていた。
服装は季節的に温かくなってきて、ブレザーを脱いでいてセーター姿。
そんな姿を格好良いと思ってしまい、思わず目を逸らす。
(俺らしくもねぇ…。)
思い返してみれば、赤也と付き合ってからこんな事ばっかりだ。
俺らしくもない自分がいる。
(あ、赤也気付いた。)
でも、そんな自分を嫌いじゃない。
赤也は窓を開けて、叫んできた。
「ブン太先輩ー!!」
俺も窓を開け、一言。
「好きだぜぃ。赤也。」
自分にしか聞こえないように、呟いた。
赤也はまだ、満面の笑みで手を振っていた。
自分を少し、好きになれた。
〜end〜
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