Gift

□たまには
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「拗ねないで下せぇよ。はい、土方さんこっち向いて」





「なんだよ」





「あーん」





振り向きざまに団子を差し出されて食べてしまった。あーん、と言われてついつい口を開けてしまうのは人間の本能だろうか…?どーでもいい本能だ…;





「おや珍しい。素直に食べちゃってまぁ…可愛いでさァ」





本当に愛しそうに微笑みながらそう言うとみるみる土方の顔が赤くなってきた。





「うっせぇよてめぇ…」





「全然怒ってるようには見えやせんけど?はい、もう一つあーん」





またもや団子を口の前まで差し出され美味しそうな甘い誘惑に負けそうになる。さっきは不覚にも食べてしまったがここは人通りが多いため、誰が見てるかわからないという羞恥から団子から顔を背けて反発した。






「もぅいらないんですかィ?じゃあ今度は土方さんが食べさせて下せぇ」





「はぁ!!??」






ほら、と言って団子が一つついた串を渡してくる。





そんなことできる訳ねぇじゃねぇか!!!!





「ほら、諦めなせぇ。それともここで襲われたいですかィ?」






「な…っ」





それだけは避けたい。本当に避けたい。





「どーすんですかィ土方さ……ふぐぁっ!!」





意を決した土方はあろうことか総悟の口に団子を突っ込んだ。




「…ごほっ…はぁあんた殺す気ですかィ……」




なんともまぁ可愛気のない食べさせ方に総悟がむせた。





「うっせぇぇえ!!ほら、食べさせたんだから行くぞ!」





ぷい、と背をむけて土方はさっさと行ってしまった。しかしその後ろ姿に見える耳は…真っ赤だった。





「へーい…全く死ぬかと思った」





涙目になりながらそう言う総悟がなんだか可哀相になってきた。(まぁそうしたのは自分なのだが)





「…ったくしょうがねぇな…」





そう呟いた土方は体はまだ総悟に背を向きながら手をさしだす。



「ほらよ」




「……?」




「…っだから手ぇくらいは繋いでやるっつってんだ」





「まじですかィ!」





嬉しそうに声をあげた総悟は喜んでその手をとった。





「珍しいですねィ」





「今日だけだからな」




そんな言葉を交わしながら仲良さそうに2人は団子屋を後にした。





江戸は今日も平和です。





「あの〜…お代…」





2人がラブラブすぎて声をかけられなかった団子屋の亭主の悲しい呟きだった。





…江戸は今日も平和です!!





fin
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