Gift
□たまには
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「団子五つ頼む」
「はい、かしこまりました」
今日、土方と総悟は非番の日。なので仲良く2人で甘味屋に来ていた。
……ってそんな可愛らしいもんじゃねぇよ。
実は数日前、TVで見ていたボクシング…どっちが勝つかというとてもくだらない事で争っていた。そして賭けに負けた方は団子を奢るという…なんとも小学生っぽい提案だ。
「あー…絶対勝つと思ったんだけどなー…もっと頑張れよ徳永ー…」
「もう諦めなせぇ。俺ァ昔っから勘だけはいいんでさァ」
にっこりと笑ってそう言う総悟に溜息がでる。
「団子五つお待たせしました」
「おー♪」
歓喜の声をあげて総悟が団子を夢中でほおばる。
全く。憎ったらしい…団子喉に詰まらせねぇかな…
土方のそんな願いむなしく総悟は美味しそうに団子を食べ続けた。
「てゆーかお前、団子五つって多くね?」
「ふぉーへふかぃ?(そーですかィ?)」
「口に入れたまんま喋んな」
口いっぱいに団子を入れ、怒った河豚(ふぐ)のようになった総悟を見て思わず笑みを浮かべる。
「土方さんは、団子食べないんで?」
「あいにく今日は持ち合わせが少ねぇんだよ」
ぐぎゅるるるーー……
「…ぶっ…!!」
「うわっ汚ねぇ!!!!」
よっぽどお腹が空いているのか、土方の腹の虫がなった。そのせいで総悟は豪快に噴き出してしまった。
「だって…土方さ…ぶっ……あははははは!!」
「うっせぇ!!笑うんじゃねぇ!」
顔を真っ赤にして怒る土方を指差してけらけらと笑う総悟に腹がたつ。
怒った土方は総悟に背中を向けて拗ねてしまった。
そんなところも可愛いと思ってしまう俺は…重症だなぁ…
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