短編

□大人にも欲しい子供の日
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ハッピバースディ。


大串君。


今日だけ特別に、祝ってやらァ。



+大人にも欲しい子供の日+



「大串君、何欲しい?」


「なんだァ、急に?」


「今日誕生日でしょ?金かからねェなら好きなもんやるぜ」


そーだなァ。


腕を組んで考え出す大串君。


そんなに真剣に悩まなくても、大串君の頼みならいつでも聞いてやるよォ。


銀さん大串君に依存症だから。


「おィ…」


「決まったァ?」


「……全部、聞こえてる」


知らず知らずの間に、俺は声に出してたようだ。


「いやいや銀さんなんも言ってねェぞ。あれだ、ほら。愛のパワーってやつ?


心まで繋がってんだなァ、俺たち」


「下らねェ事言ってんじゃねェよ。脳みそまで苺になったんじゃねェだろォなァ」


「大串君に言われるなら本望です」


「…っ、銀時お前。いつからMになったんだァ?」


おや。


「大串君も言うようになったなァ。なんだァ?誕生日だからか、コノヤロー」


「ちげーよ」


「ならなんですか?反抗期ですか?やだーうちの子遅いと思ったら今頃になって反抗期?」


体は大人、心は子供。


「あ、それ俺だわ」


「何一人で遊んでんだ…」


「でー。決まった?」


「んァ?…じゃァなァ」


大串君の答えを待つ俺は、どこか輝いて見えました。


あれこれ作文?


「取り合えず、名前で呼べ」


「そーいえば…ごめん、気にしてたァ?」


「別に気にしてねェけど…」


意味有り気にだんだん声をを小さくしていき、大串君は俺から顔をそむけた。


「やだなに、ツンデレ?大串君ちょー可愛いんですけどっ」


ツンデレ言うなァっ。


そんなに叫んで反抗しなくても…。


やっぱ反抗期ですかァ。


俺はそんな大串君を片手で引き寄せ、お望み通り言ってやった。


「好きだ、十四郎…」


「なっ…」


「誕生日はこれからだぜ」



なんで子供の日なんだろォなァ。


五月五日が。


子供の日に大人の祝いかたって……


「あァー…、それも萌えるわ」


「だから銀時、さっきから一人で何言ってやが…――」


「はーい、口閉じる」


優しく口付けしてやると、十四郎は黙り込んだ。


「十四郎は可愛いなァ」


ちょっぴり素直じゃないところが。


「銀さんお前なしじゃ生きていけねェ」


依存症だから。


「これからも俺の傍にいろよォ。十四郎」


「あァ…」


照れながら微笑む十四郎の唇に、


俺はもう一度口付けをした。




fin.

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