黎明

□そして僕らは夕涼みに暮れる
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ねぇ、いつもそんなにきっちり着込んで暑くない?もう夏だよ?
そうだ、良い子にしてる君に銀さんがプレゼントをあげるね。



「じゃんっ☆美味しそうでしょ?」
文机からちっとも目を離すことのない君の気持ちは銀さん分かってます。照れ隠しだよね?
「ねぇってばぁ…銀さんのすうぃつ美味しんだよ。大評判の三ツ星なんだよ?ねぇって。食ぁべぇよぉ…
絡みつくような口調が感に触ったらしい土方の愛刀は主人に忠実に敵に牙を向けたが、惜しくも敵の羽織りに掠っただけだ。土方は自分と愛刀の仕事を邪魔する男に盛大な舌打ちを送る。そして、舌打ちなどなかったように秀麗な美貌に微笑みを乗せる。
「…銀時。俺を愛してないのか?」
普段の土方なら絶対言わない愛の押し問答的な台詞に銀時は思わず呆けたような反応を返した。
「へ?何言ってんのさぁ。めちゃくちゃ愛しまくっちゃってますが?」
土方は銀時曰わく天使の微笑みをゆっくりと歪ませて迷い無く宣った。
「そうか。愛されてんのか
…なら何故避ける?」
「いや、ソレおかしくないっ?しなくてもいいドメスティックバイオレンスの言い訳みたいなァァァァァ。」
今日も真選組屯所、鬼の副長こと土方十四郎の部屋は騒がしい。
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