作品

□12月A
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タカラモノ



いつからか
目の前に置かれている宝箱
フタは横に落ちている
次の日も
次の時も
次の番になってもある宝箱

突っ立ったままのぼくは
それが理解できない
食べ物だって入っていない
心奪われるようなものもない
ただ、
時々忘れたように零される
誰かが落としていく何か
それだけ、箱にある


それだけが気になって
それだけを見つめて






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