ss<nztume,yakusizi>
□伝えたいこと
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バレンタイン企画
『伝えたいこと』泉田→→←←←涼子
―――――――♪♪
「もうそんな時期か」
近くのスーパーではバレンタインコーナーが出来ていた。
そういえば貝塚巡査がいってたな。
「今年は逆チョコだそうですよぉ。」
逆チョコ、ねぇ。
――――
ぱらぱらと本をめくっていた。
「ミレディ」
「わぁっ」
思わず本を隠す。
「ああ。ありがと。そこに置いといて。」
「・・・ウィ」
ちらっとこっち、あたしが隠した本を見た。
いくつかの冊子をおき、ドアへ向かう。
「ミレディ、なにかあったらいってください。」
「ええ。」
メイドにはお見通しらしい。
冊子はチョコのパンフレット。バレンタイン、そんなのはお菓子会社の陰謀。でもそれを使わない手は無い。なんたってお金はあるもの。
パンフレットの表紙にはお気に入りのチョコが映っていた。どんなに見た目が綺麗でおいしくても、なんだか物足りない。あたしの気持ちが届かない気がする。
・・・なんて子どものような考え方かしら。
もう一度とっさに隠した本を見る。『初心者でも安心お菓子作り−バレンタイン−』。馬鹿馬鹿しい。手作りだからってなんだっていうのさ。
それにあたしに料理の才能はないんだから。
―ーー