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□名前
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夜中誰もいなくなった部屋に訪ねてくるひとがいる。はじめは怪我をしていたから匿っただけだったのに。
そのひとは首がなかった。妖怪と呼ばれる類いのもの。
毎夜彼に会えるのが唯一の楽しみ。
「名前、何て言うの?」
「首無し。」
「それはあんたの存在でしょうが。あたしは名前が知りたいっていってんの。」
「そんなの別にいいじゃないか。そのぶん俺がお前の名を呼ぶよ。」
手をとりにっこりと微笑む。
「なぁ紀乃。」
薄く開いた瞳に覗きこまれたら弱いって、あんたにはもう知られているんだね。
二人でいるときは遊女ではなく、ただの女なってしまう。それすらも気づかれてるのかしら。
首無し、どうしたらあたしに惚れてくれる?
――――
守らなきゃ
二人でやれば強いって、あんたを守るって言ったのに
「ごめん…首無し」
あんたの後ろを守るどころか自分のうしろをやられるなんてみっともないね
「紀乃ー!!!」
名前。
最後ぐらいあんたの名前を呼びたかった。
あんたの名前は何て言うの?
__終
【あとがき】
最近本誌で首毛で溢れてて今週で私の頭がパーンした。←意味不明
2010.04.19
これは勝手な妄想です。
原作の設定とは違いました。やられた。幼女の毛娼郎→義賊さん、原作素敵過ぎる。