ss<nztume,yakusizi>

□それでも抑えることはできなくて」(夏→タキ)
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「誰かきてたんですか?」

「あら貴志くん起きてたの?なら引き止めておけば良かったわね。」

この日は前日に少し無理をしたせいか熱がでていたんだ。

「透ちゃんがお見舞いに来てくれてたのよ。」



『名前』



「透ちゃん?」

「いやだわ。彼女の名前くらいちゃんと覚えておかなくちゃ。」

塔子さんが彼女と勘違いしてるのは・・・・・きっと多軌だ。

「タキは、その、彼女じゃなくて。」

ただの

「照れちゃってもう。隠さなくてもいいのよ〜。」

照れてません。だから俺と多軌はそんな関係じゃないです。と、なぜか口に出来ない。

「苗字でよんでるから忘れちゃうのよ。たまには名前で呼んであげてね。きっと喜んでくれるわよ。」

「名前・・・。」

「貴志くんが起きたのなら今のうちに買い物いってこなくっちゃ。」

お留守番よろしくね、といって塔子さんはでかけてしまった。結局また多軌とのことは言えずじまいだった。なんで「違う」の一言がいえないのか。言葉にしてしまったら現実味を帯びてしまうからだろうか。


たぶん自覚するのが怖いんだ。人に、1人の女の子に恋をしてる事実が聴覚を通じて全身に行きわたってしまうのが、怖い。




それでも、君をみてしまう。名前を呼びたくなる。呼んだら微笑みかえしてくれるだろうか。答えてくれるだろうか。

今は見えないその姿に向かって心の中で呼びかける。


「透。」


体にまわった熱はまだ収まらない。




----------end



あとがき

なにこれ 。意味不明。初めは透って名前呼びしたいけど恥ずかしくていえない夏目の話だったのに。あれ??

突発文。

09・05・24

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