Novel

□人生の不条理について
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恋人候補から、本当の恋人になって2ヶ月。

そろそろ、その……キス、くらいしたいよなぁ……。






さっきからドキドキと落ち着きのない心臓と、気を抜くとにやけてしまう顔を持て余して、俺は自分の部屋にいた。

今日、初めてナルトを俺ん家に呼んだんだ。

どこで嗅ぎ付けたのか、俺達が付き合い始めたことを知ったらしいお袋が、「一回連れてこい」と言い出したのがちょっと前の話。

いつの間に知り合ってんだか、ナルトはうちの家族にすこぶる気に入られているらしい。

「ああいう、ほわほわ〜っとした可愛い息子が欲しかった」なんて本物の息子を目の前にしてしゃあしゃあと言ってのける親ってどうよ?!

悪かったな可愛げなくて。

っつーか、俺があんなふうに可愛かったら気持ち悪ぃだろ、むしろ。

ま、罰が当ったのか、今日親父とお袋は里外の任務が入っちまって渋々出かけていった。ざまぁ見ろ。

そんなことはどうでもいいんだけどよ。

さて今日がその当日だ。

約束の時間まであとちょっとある。

もうすぐあのぴかぴかの笑顔で『お邪魔しま−す!』なんて元気に言うんだ。

いや、もしかしたらアイツあんまり人の家とか行ったことないから、すげー緊張してたりして。

そういうのも可愛くていいなぁ……。

で、まぁ、まずは俺の部屋に案内だよな。

今日、赤丸は気を使って自分の小屋のある庭にいてくれてる。

俺とナルトを2人っきりにさせてやるって、ほんと持つべきはいい友達だよなぁ。

ちゃんと掃除もしたし、ベッドのシーツも新しいのに換えてある。
べ、別にヘンな意味があってじゃねぇぞ!

俺の部屋で座るとこっていったら、今俺が座っている椅子とそのベッドくらいしかねぇんだよ!

ナルトは一応客だし!

クシャクシャな上に赤丸の毛がついたシーツじゃやっぱりダメだろ?!

……って何言い訳してんだ俺は!
やべぇ、顔が熱くなってきやがった。

……でも、あの普段はやんちゃないたずらっ子の笑顔が、白いシーツの上で紅く染まって、ちょっと高めの可愛い声で恥ずかしげに”……キバ……”なんて…………

うわぁぁぁぁ!

やめやめ!

今のナシ!

…………ちょっと待て、俺の下半身!

ナンカどくどくイッテマセンカ?

勘弁してくれぇぇ!

何だこのズボンの膨らみはぁ!

鎮まれ鎮まれ鎮まれ鎮まれ……………………

 
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