Novel
□お昼寝
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「俺ってば、サスケと一緒にいると眠くなる。」
ムカ。
どうしてこいつはこう、いいにくいことを平気で言うんだ。
勝手に人の家に押し掛けてきておいて。
眠い=退屈。そんな簡単な式が頭に浮かんだ。
「……だったら、別に無理して……」
来ることねぇよ、と続けようとした俺の言葉は、しかし、急に感じた背中の重みに遮られた。
犯人は一人だけだ。
「おい、重いぞ。」
「へへへー。」
どこかの妖怪みたいに、べったり俺の背中に張り付いてナルトが笑う。
心なしか、布越しに伝わる体温がいつもより高いような気がした。
……もう眠いらしい。
来てから1時間もたってないぞ。
「なんかさ、……安心する…てば……。」
あとに続いたのは小さな寝息。
「……」
おい、これはどうすればいいんだ。
前かがみになった背中に、しがみつくように寝られて身動きが取れない状況と。
………………それから、奇妙に熱くて、緩みそうになる俺の顔と。
−−−まぁ、こいつ相手じゃしょうがねぇか。
-fin-
20030731