忍(長編)

□ホシノモト
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「再び明けましておめでとう」

鹿丸は昨日、日本での年明けで鳴門と電話していた。
鳴門が照れながら年明け一番に会えなくても声を聞きたいと電話をかけてきたからだ。

『あはは。明けましておめでとう、鹿丸。今だったんだ』

「そう、今0時廻った。やっぱり顔をみたいな。物足りない」

『オレも。なぁ、いつ戻れるんだ?』

「次の試験を受けてからだから、少なくともそのあとになるな」

『オレがそっちに行こうかな…』

「いや、それだけはやめてくれ。こっちは日本より自由なんだよ」

なんとなく言われた鳴門の言葉は物凄く嬉しいが、鹿丸は節々と言った。

『だからだよ。日本だとくっついて外なんか歩けないだろ?だけどアメリカだったら日本ほど気にしなくていい』

「だから俺は心配なんだよ。言い寄ってくるのが多いから」

『鹿丸は外で俺とくっつくの嫌なのか?』

「んなわけねぇだろ!!こいつは俺のだって言いてぇに決まってる」

『あ、ありがとう///あのさ、その…』

「鳴門。……逢いてぇ」

『!!っ///』

「って、言うだけなら簡単なんだけどな」

『…っ、〜〜っ』

「鳴門?どうした?泣いてんのか?」

『だっ、て、鹿丸が』

「俺泣かせるようなこと言ったか!?」

『言っ、た』

「おい!?泣くなよ。離れてるから抱きしめることも出来ねぇんだからよ」

『一緒にいたら抱きしめてくれんのか?』

「抱きしめるだけじゃ終わらないだろうけどな」

『…鹿丸。外、星が綺麗だ』

「ん?あ、あぁ、確かに綺麗だな。…ちょっと待て。鳴門、今何処にいる?」

『…下』

「!?おまっ!!すぐ行く!!」


鹿丸は鳴門を見つけて抱きすくめた。

「何でこんなトコいんだよ」

「迷惑だったか?」

「んなわけねぇ」

「よかった…」

「鳴門…逢いたかった」

「俺も」

「寒いだろ。部屋行こうぜ」

「大丈夫。もうちょっと…このまま……」

「ん。…………鳴門」

「なに?」

「明けましておめでとう」

「!?明けまして、おめでとう///」

「今年も、その先も、放すつもりはないから」

「あ、ぅ///」

「なぁ、さすがにもう中に入るぞ。上着着てないから寒い」

「あっ、ごめん!!行こ行こ







end
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