短編
□日常?
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火影の執務室から出てきた艶は、わざとらしく、これでもかと言うほど大きくため息を吐いた。
「ため息を吐くと幸せが逃げるって言うぞ」
「そんなこと貴方に関係ないですね。それにこのため息は貴方のせいですよ“白さん”」
スタスタと足は止めず、むしろ早足になりながら艶は早くその場を去ろうとしている。
「白でいいって言ってんだろ?それにいい加減俺の依頼は請けようぜ」
早足の艶の横で同じ速度で歩く白は、傍から見ると異様な光景でもあるが今その場にいる者にとってはいつものとこである。
「あんなものお請けするわけないでしょう!!暗号班の仕事なんて命いくつあっても足りません」
再び大きなため息を吐いた艶は、それまで絶えず動かしていた足を止めた。
「それで、どこまで着いてくるつもりですか?」
ギッ、と白を睨み付ける艶は軽く殺気が滲みでている。
「出来ることなら艶の家まで?」
「……出来ないご相談なので、ここで失礼します」
艶は頭を下げると一瞬で消えた。
あとに残ったのは、普段では考えられない顔をした白だった。
「ったく、シカマルのやつ何考えてんだよ。一応オレ一般人だっつの!!機密だらけのあんなとこに入れるわけねぇじゃん」
ほんと何考えてんだか。そう言って艶は仕事を片付けるべく駆け出した。
了
おまけ
白は艶が消えて行ったであろう方角を見つめていた。
「抱かれたい男上位5位に入りつつある白とも言うヤツが、そんな顔してると順位落ちるぞ〜」
後ろからガシッと肩に腕を回して白と同じ方角を見る男。
「んなのどうでもいい。つーか犬、腕退けろ。いい気分が台無しじゃねぇか」
「犬ゆーな。今の今までにやけた顔してさ〜、キモかったぜぇ」
「お前に言われたかねぇな」
「ケッ。その顔見られて避けられればいいんだよ!!」
意味不明な言葉を置いて、男は中へと入っていった。