□ きり番
□AXE ☆るな☆様へv
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ドキドキドキドキ・・・
最近、なんだか俺はやばい。
え?春だから?や、もう春終わったし。
いやいやいや。
まぁ、泉が俺の恋人として傍にいてくれる以上、年中春なんだけどさ。
最近の泉ときたら・・・・
そりゃぁ もう
やばい
AXE 〜君の瞳は一万ボルト〜
木々の新芽がはじき出したこの季節は、数々の別れの後の数々の出会いの時。
環境が変わる者も変らない者もなぜかウキウキとしてしまうような季節。
春。
だが、そんな季節もすっかり終りになり、もうすぐ初夏がやってこようかとしている時期にそわそわと落ち着かない男がいた。
「浜田―、メシ食おーぜー」
「おー。」
浜田は田島の相変わらずな元気でおおきな声に応え、スーパーの特売で買ったパンを持って野球部連中のところへと足を向けた。
浜田は応援団を始めたあたりから、野球部3人と一緒に昼食をとるようになっていた。
待ち切れなかったのか、野球部3人はすでに弁当や購買で買ってきた惣菜パンに喰いついている。
浜田の座る席はいつも泉の隣。
馴れたはずの席に座るのになぜか緊張する。
チラリと上から見た泉はあのでっかい目に黒いまつ毛がかかって何とも色っぽい。
思わず目が離せなくなり、じっと見ていた浜田に気がついた泉は不機嫌そうに声をかけた。
「なんだよ?」
「―――― なんでもねーよ。」
なんでもないようにさりげなくしたつもりの自分の頬が染まるのがわかる。
なんだか、最近の俺は変だ。
いや、泉が変なんだ。
俺たちは皆に秘密だけど(当たり前だ)恋人同士な関係で、それは心も・・その・・・・身体の方まで繋がっちゃったりしている。でへっ。
自分の気持ちに気付いてからすぐの頃は毎日泉を見てこんな感じだったけど、今ではあの頃のような緊張感はすっかり薄れてきていた。
それがここ数日間の泉ときたら、目が潤んでいて、なんとも色っぽい。
あの顔は、Hの時に泉のいいところを焦らして焦らして、これでもかって位に焦らした時に出る泉の「たまらなくなった顔」に近い。そんな顔が簡単に昼間から見れていいのだろうか。
俺としては嬉しいけど。いや、息子が反応して困るか。
・・・にしても、一体どうしたのだろう
昼休みが終わる前に、クラスメイトと次の教室を出て行った。
(泉が他の奴と出て行ってだいぶ経つなぁ・・・。あ、戻ってきた。そいや週番か。なんだよかった。)
そんな泉の帰りをぼ〜っと待っていた浜田は気がついた。
隣にいるクラスメイトを見る泉の目が潤んでいる事に。
「んなっ!?」
思わず声に出しており、一瞬浜田の周りの生徒が浜田に視線を注いだがすぐに興味が薄れたらしく再び元の各々の行動へと戻った。
よく見ると、相手の顔がなんだか緩んでいるような、照れているような感じだ。
(もしかして、もしかして!!)
授業中、落ち着かない気持ちを抑えながら泉の周りを観察してみると、やはり男子生徒何人かが浜田と同じようにぼぉ〜っと泉を見ていた。
(やっぱりーーーー!!!)
泉が英語を写させてもらっていた奴、よく話す奴に、体育の授業で組んでた奴、そしてさっきの週番の奴。
どうやら泉のそのフェロモンたっぷりのうるんだ魔性の瞳は、浜田に焦がれて潤ませていたわけでもなく、話したりした皆に向けられていたものだった。
(無意識に男を落としてやがる・・・。なんて恐ろしい子・・・。)
がっくりとうなだれる浜田に教師のチョークが飛んだ。
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