YGO!

□夏の記憶
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風がそよそよと吹いて気持ちの良いお昼寝日和のたった今、ボクは留守番している
店番じゃなくて、留守番ね。
だってお客さんなんて一人も来ないからさ、皮肉の意味も込めて。
いつもの休日なら小学生のコとかがカードを買いに来たりするんだけど
今日は平日だからそういい子達も来なくってすごい暇だ…
平日なのにボクが留守番している理由、それは…たまたま学校の創立記念日だからなんだ
本来なら城之内くんたちとゲーセンとかハンバーガーショップに行って遊ぶハズだったんだけど、さ
城之内くんと約束する前にじいちゃんの前でポロッと言っちゃったんだ、そしたらさ

「ほっほ、じゃあ遊戯に店番頼んで出掛けてくるかの」

とか言って今日の朝早く本当に出掛けちゃったみたいなんだ、何処に行ったかはしらないけど…
ついでにママにまでボクが店番するって言っちゃったらしく、ママもいつもしないお化粧までして友達とお茶しに行っちゃったんです

「あーあ、暇だよ…」


そう呟いてみても誰も来る気配なし。
城之内くんはバイト入れちゃったみたいでうちに遊びに来れないし、獏良くんも今日は家でフィギュア作るとか言ってた
だからボクは今ここで一人暇潰してる最中なんだ
最初の内は、新しいカードをどうしようとかデッキの構成を考えて暇を潰してたから良いんだけど、一時間位したら終わっちゃって
ボードゲームでもやろうかな、と手に取ったけど、一人じゃつまらなくてすぐにやめちゃった
だからこうして今はぼーっとしてるんだけど
なんにもやることがないとつい無意識に考えてしまうことがあるんだ

一ヶ月くらい前に還っていってしまった、もう一人のボク

キミが居なくなってからまだ一ヶ月しか経ってないんだ
早い様でとても長かったこの一ヶ月間。
いまでもキミのことを思えば胸が痛くなるし、思わず泣いちゃいそうにもなる
だけどボクは後悔なんてしていないよ
本音を言えば、一緒に居たかったけれど。


「やっぱりキミのこと好きだからなあ」
もう一人のボクの願いなら何でも叶えてあげたい、なんてね…


「へえ、誰が好きなんだ?教えてくれよ」
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