ハレルヤ

□第9話
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「………」



吉田松陽と名乗った彼についてやって来た、一軒の家。

彼や自分の格好からここは自分の生きてきた時代とは違う時間軸なのだろうと―悲しいことにそんな非現実的なことにはとっくの昔に慣れっこだ―思ってはいたけれど、やはり家の作りも俺の知るそれとは違っていて。

久々に触る和室の部屋で一人残された俺は、とりあえず懐かしい畳の匂いを満喫しながらキョロキョロと辺りを見回していた。


――とそこで、近づいてくる気配と足音。

それは先ほどまでここにいた吉田さんのそれではなく。

確かに幼い―とはいえ多分今の俺と同じくらいだろうけれど―ものなのに、どこか子どもにしては抑えられたそれ。

それに内心首を傾げながらも探っていれば、気配と足音はこの部屋の前で止まり。

そして一瞬の後、俺の見つめる先で襖が開いた。



「………」



「………」



そこから覗いたのは、キョトンとした表情を浮かべた銀色。

そしてしばしの間俺たちは何も言わずにじっと見つめ合い。

やがて先に口を開いたのは、銀色の方だった。



「………………誰?」






友達の始まり

(それが)(僕らのファーストコンタクト)


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